マツダの理想の走りは、
理想のドライビングポジション(運転姿勢)から生まれる。

車両実研部
大坪 智範

意のままの走りとドライビングポジション(運転姿勢)には、きっと深い関連がある。
そう考えた大坪智範や上村裕樹などマツダの研究者たちは、10年以上もの間、研究を続けてきました。
理想的なドライビングポジションとは何かを追究し、適切な関節の角度を検証するなど、地道な努力を重ねる毎日。
その活動は、今やマツダのクルマづくりの核をなす思想として、重要な役割を果たしています。

自然な操作を生むための、人間中心のクルマづくり。

クルマに乗り込んで、あなたはまず何をしますか? シートのポジションを確認する。ステアリングを合わせる。そんなドライビングポジション(ドラポジ)というものに強いこだわりをもち続けている開発者がいます。車両実研部、大坪智範。マツダのクルマづくりの核ともいえる理想のドライビングポジションについて、長年研究を重ねてきた中心人物です。「10年以上前のことですが、いいクルマをつくるためのポイントは何か、さまざまな部署に聞いてまわったことがあります。そこでたどり着いたのが、ドライビングポジションなのです」。
実はこのドライビングポジションこそが、リラックスできて体が疲れにくく、何より安全に運転を楽しむことを可能にするのです。

車両実研部 大坪智範

「人間をどこに配置するか。それによってエンジンやタイヤ、キャビンといったクルマの構成が変わります。人間を中心に考えれば、アクセルやブレーキ、ステアリングも自然な場所に置けるので操作がしやすくなる。そして安全性の向上にもつながる。その時、これはマツダが伝統的に追究してきた“人馬一体”の走りとつながるのではないかと気づいたのです」。ドライビングポジションこそが、マツダの理想の走りの基礎。以後マツダは、この“人間中心の考え方”を設計思想の根本におき、クルマづくりに取り組むことになります。

3つのステップで、理想のドライビングポジションを実現。

大坪は、ドライビングポジションの考え方を根本から見直しました。「人間は適応力が高いので、どんな道具でもある程度は使いこなせます。でも道具に合わせていると、身体に負担が生じミスしやすくなるか、ドライバーの能力を最大限に引き出しにくい状況になります。だから、ドライバーにとって最もいい状態を作ることを考えました」。そして現在、大坪が率いる開発グループは、3つのステップによって理想のドライビングポジションの実現に取り組んでいます。

リラックスした状態こそ、素早く正確に動け、しかも疲れにくい。

3つのステップで、理想のドライビングポジションを実現。

まず1つめは、“理想のドライビングポジションとは何かを規定する”こと。「人間の体は、無駄な力が抜けたリラックスした状態のほうが素早く正確に動けます。さらに、そういう状態は疲れにくいことも重要です。つまり、瞬時に適切な動作ができるようサポートし、そのままの体勢でいても疲れにくい。そんなリラックスした状態を理想のドライビングポジションとし、それぞれの関節の角度を規定していったのです」。

また、理想のドライビングポジションを考えるにはもうひとつ要素が必要となります。「それは目線です。つまり、どこを見るかということ。人間は高速道路を走る時は遠くを見つめ、市街地などを走る時は近くを見ます。速度や状況によって目線の位置は変わるのです。この遠くと近く、両方の目線を満たすエリアを“アイラインゾーン”と呼び、理想のドライビングポジションを規定する重要な要素としました」。

ドライビングポジション

人間に合わせて操作ユニットやシートを配置。

ドライビングポジション

そして2つめのステップは、“理想のドライビングポジションに合わせて操作ユニットを配置する”こと。「理想のドライビングポジションを保ちながら、自然に足を伸ばすとアクセルとブレーキがある。そのようにペダルを配置しています。これを実現するために、CX-5以降のマツダ車は前輪のホイールハウスを前に少し移動しています。まさに人間に合わせてクルマの設計を変えているのです。さらに、体格やアイラインゾーンの違いに関わらず、多くの人が最適なドライビングポジションを確保できるように、シートやステアリングの前後・上下の調整範囲も決定しました」。


  

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