マツダの理想の走りは、
理想のドライビングポジション(運転姿勢)から生まれる。

車両実研部
大坪 智範

オルガン式アクセルペダルでスムーズな操作を実現

さらに3つめが、“人間の特性に操作ユニットの特性を合わせる”こと。「足の姿勢をラクに保つため、かかとは床につけることを基本と考えています。すると足首の動きは、かかとを支点とした上から下への回転運動となります。マツダでは、下に支点があるオルガン式アクセルペダルを採用し、足首とペダルの動きが一致したスムーズな操作を実現しています」。

また、オルガン式アクセルペダルは長距離を走っても足が疲れにくい、という効果があります。「ひざ下には、大きく2つの筋肉があります。正面の脛(すね)筋は足を引く時に、背面の平目(ひらめ)筋は足を押し出す時に使います。ペダルは基本的に押し方向に動かすので、かかとを床につけ、ペダルの反力を足の重さで支えておけば、平目筋だけでペダル操作が可能になります」。クルマを長く運転した後、脛筋が痛くなった経験はないでしょうか。あれは足が固定されず、ペダルと足の動きが合っていないことで、脛筋と平目筋の両方の筋肉を使ってしまうことが原因なのです。脛筋よりも大きな平目筋だけで操作すれば、足の疲れの軽減につながります。

オルガン式アクセルペダル

オルガン式アクセルペダル

前脛骨格(すね筋)…足首を引きあげる方向に動かす筋肉
平目筋(ひらめ筋)…足首を押す方向に動かす筋肉

ドライビングポジションの追究が、“人馬一体の走り”へとつながる。

「速度」と「0.1秒間に進む距離」の関係(マツダ調べ)

※マツダ調べ

3つのステップを経て生まれた理想のドライビングポジション。その効果はどのようにあらわれるのでしょう。「操作しやすい姿勢でクルマを運転することで、まずは安全性が向上します。例えば、かかとを上げた状態と固定した状態とでは、アクセルからブレーキに踏み換えるのに0.1~0.2秒の差が生じます。万一の事態に、この0.1秒の差は状況を大きく左右します。そして、コントロール性も向上します。自分の思い通りにクルマを動かしているという感覚をダイレクトに味わえるのです」。ドライビングポジションの追究によって生み出される、優れた安全性とコントロール性。つまりそれは、マツダの掲げる“人馬一体”の走りそのものにつながっていきます。

クルマを存分に楽しんでもらうために、ドライビングポジションを追求する

理想的なドライビングポジションで運転すると、そのクルマの出来不出来がはっきりわかる、と大坪は言います。それは開発者にとって喜びであり、プレッシャーでもあります。「自分たちがこだわり抜いてつくったクルマを存分に楽しんでもらうために、我々はドライビングポジションを追究していると自負しています。理想のドライビングポジションで、ぜひ“人馬一体の走り”を全身で体感していただきたいと思います」。大坪はあふれる笑顔で、そう答えました。


  

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