マツダが考える、最上級SUVにふさわしい
インテリアデザインとは。

マツダの最上級SUVとして誕生したCX-8は、「TIMELESS EDGY」というデザインテーマを設定。
そこには、普遍的な美しさと上質なデザインを通じて、日々の暮らしに豊かさや心地よい刺激をお届けしたいという意味を込めています。
SUVのインテリアデザインはどこまで美しくなれるのか。デザイナーの菅が語ります。


目指したのは、大人のための上質な空間

菅 由希

菅 由希

デザイン本部 プロダクションデザインスタジオ インテリアデザイングループ リード・デザイナー

CX-8の開発スタート時から、インテリアデザインチームのリーダーを担う。造形のみに止まらず、素材の吟味にも携わり、大人がくつろげる書斎のように上質な空間を創り上げる。

ラグジュアリーの新しい解釈だな、と直感しました。

ラグジュアリーの新しい解釈だな、と直感しました。

「CX-8は、CX-5の開発にやや遅れて続く形で始まりました。3列シートのSUVという前提はありましたが、私たちは、CX-5のボディを延ばしただけのクルマを作りたくなかった。今ある使い勝手を重視したSUVや、室内の広さを重視したファミリーカーという枠にとどまらない、新しいSUVの価値観を提案したかったのです」。

ラグジュアリーの新しい解釈だな、と直感しました。

「魂動デザインという哲学から、何を生み出せるのだろう。上質で本物の素材に囲まれた大人の空間という発想はあったものの、当初はイメージが明確に固まってはいませんでした。既存のラグジュアリーに囚われ、一歩先へ進むことができなかったんですね。その迷いを消してくれたのは、ひとつのイメージ画像でした。"マツダ独自のプレミアム"を表現するイメージ画像をチーム内で持ち寄り検討したところ、美術館のような、白く洗練された空間の写真を描いた一枚のイラストに衝撃を受けました」。

時を越えてもなお、お客様の感性を刺激し続ける、普遍性と先進性を併せ持つデザインテーマ『TIMELESS EDGY』が誕生した瞬間だ。

「これはラグジュアリーの新しい解釈だな、この洗練された空間は、既存のプレミアムという価値と肩を並べる、むしろマツダ独自の新たなプレミアムになりうる可能性がありそうだ、と直感したんです。以降、CX-8が目指すべきインテリアデザインと世界観が、私の中でどんどん明確になっていきました。
ただ、私の中に生まれた世界観は目には見えませんから、開発チーム内の意識共有に苦心しました。言葉で説明するだけでは、おのおのが心の中に描く姿にズレが出るんですね」。

そこでデザインチームは、独自にイメージビデオを作り、開発チーム全員の世界観をすり合わせようと試みた。そして、その効果は目覚ましかった。

「TIMELESS EDGYという強い言葉と、世界観を細部まで共有するための情熱があって初めて、私たちは迷うことなく一直線に理想を目指していけたのだと思っています」。

ラグジュアリーの新しい解釈だな、と直感しました。

本物の木だからこそ生まれる、感動と愛着があります。

本物の木だからこそ生まれる、感動と愛着があります。

本物の木だからこそ生まれる、感動と愛着があります。

そうして生まれたCX-8のインテリアは、開発初期にデザインチームが思い描いていた理想のデザイン通りに仕上がった。例えば、マツダとしてはユーノス・コスモ以来20年ぶりとなる、ウッドパネルの採用も、理想にアプローチするための、ひとつのアイテムだ。

「CX-8は、上質と親しみ、本物を見極める審美眼をお持ちの大人の方にお届けしたいクルマです。本物の木だけが持つ温かみと味わいを大切にすることで、上質な空間と、愛着、所有する歓びをご提案したかったのです。

CX-8にふさわしい木を探すのは、本当に大変でした。木そのものの表情を活かすと、トラッドなイメージが強くなります。また、本杢をあしらうパーツは水平基調の形ですから、柄や揺らぎが大きいと、形とのマッチングがよくない」。

そこでデザインチームが注目したのが「積層杢」だ。

「杢材を薄く切り出して積層した後にカットし、断面を見せることで、緻密でシャープな表現を実現しようと試みました。しかし、単純に重ねれば意図する表現に仕上がるというわけではなかったですね。積層材の厚みが1mmも違うと、イメージは大きく変わります。表面塗装の厚みが0.1mm変わるだけで質感に差が出ます。最適な組み合わせを発見するまで試作を繰り返す日々でしたが、それだけの手間をかけて初めて、私たちが目指す質感が実現できたのです」。

「積層杢」
積層杢

触れ続けるほどに馴染む、上質なナッパレザー。

触れ続けるほどに馴染む、上質なナッパレザー。

シートの素材には、柔らかくしっとりした、マツダ最高級のナッパレザーを採用した。

「ナッパレザーは、マツダ車としてはCX-8のほか一部モデルでしか採用していない高級革です。しかし、既存のナッパレザーをそのまま使用するだけでは、私たちが思い描く理想のインテリアイメージと、微妙にズレがあることに気付きました。上質なカバンに触れたときに感じる、革のなめらかさと柔らかさ。触れたときの感動。これをクルマのインテリアにも取り込みたい!という想いが募ったのです」。

触れ続けるほどに馴染む、上質なナッパレザー。

そこで着目したのが、革の表面にあしらう『シボ』というシワ加工だった。CX-8では、よりきめを細かくする『鏡シボ』を選び、革の質感を大切にしながらも、滑らかなタッチを追求した。
「滑らかさと肌ざわりの良さを追求するために、『パーフォレーション』にも着目しました。革に吸音性と通気性を持たせるため、表面に小さな孔を規則的に開けるという、従来から広く採り入れられている加工方法です。革に孔を開ける針の太さを、従来の1mmから0.7mmへと細くし、ピッチを細かくすることで、肌に引っ掛かる感触を大きく抑え、より滑らかな手触りを実現できました」。

孔の径だけでなく、パーフォレーションの入れ方にもこだわった。CX-8で採用した革の表面に目を近付けて見ると、孔同士が規則的な三角形の連続になっていることに気付く。既存のナッパレザーは四角形。これだけで何が変わるのだろうか?
「四角形と三角形を比べると、三角形のほうが、シート形状によりピッタリと革を沿わせられるんです。そのため、より立体感のあるシートデザインの表現が可能になりました。CX-8では、運転席や助手席はもちろん、2列目シートの設計思想とデザインにも新たな価値観を提案しています」。

従来のナッパレザー

CX-8 ナッパレザー