2人のチーフデザイナーによる、デザイン対談。

魂動というデザインコンセプトのもと、個性際立つクルマを生み出した2人が、それぞれのデザインに込めた想いを交わす。
2015年2月27日発売のCX-3、6月発売のロードスター。それぞれのカーデザインを手掛けた2人は、魂動デザインという共通コンセプトをそれぞれどのようにカタチに落とし込んでいったのか。

  

チーフデザイナーご紹介

松田陽一

松田陽一

CX-3
チーフデザイナー

中山雅

中山雅

ロードスター
チーフデザイナー

「クルマを命あるものとして考える」
それが魂動デザイン。

中山
魂動デザインはカタチの定義ではなくて、考え方やデザイン上のプロセスでもあります。ロードスターをデザインするときには、デザイン本部の本部長である前田と「陸上で一番速い生き物のようにデザインしたいね」と話していました。陸上動物は足を地面につけて荷重をかけて摩擦力を生み出し、後ろに蹴り出すことでトラクション(駆動力)を生み出す。それをクルマで表現することを考えたのが始まりです。魂動デザインというのは、「凛(研ぎ澄まされた存在感)」、「動(ダイナミックな動き)」、「艶(命あるものが放つ色気)」という3つの要素のバランスで構築されるのですが、今の話は「動」に近いかもしれませんね。

「ロードスター」チーフデザイナー中山雅

松田
魂動デザインをあえて言葉にするなら、生命感。生きているものとしてクルマを考えたいというのが根底にあります。CX-3のデザインは、セダン・ハッチバック・コンパクトカーと全カテゴリーが出揃った今、生命感というテーマだけを持った上でどんな新しいことができるか、というところを突き詰めています。

ロードスターとCX-3、それぞれの「凛」と「艶」。

中山
ロードスターにおける「凛」とは、クルマ好きのポイントを押さえた上で、それ以外をすべて徹底的に削ぎ落とした凄みですね。「艶」は、ある卓越したクレイモデラーにしか出せない微妙な表面の造形の世界。経験を積んだものにしか表現できない、味のある世界だと思います。

松田
CX-3での「凛」は、知性を感じさせること。知性あるものだけが纏えるようなディテールが、このクルマにはあるんです。
「艶」は、色気ですね。タイヤハウスがぐわっと抉れていたりすると、すごく色っぽい表現。そこで色気と知性のどちらが強いのかという感覚の差があって、そういう意味ではスポーツカーであるロードスターはより官能的で、CX-3はよりインテリジェントだと言えるかもしれません。

「CX-3」チーフデザイナー松田陽一

自分の感覚を出発地点にしないと、
新しいものは生まれません。

中山
「こういうクルマがカッコいい」ということは誰かに教わるものじゃないですよね。子どもは、生まれながらに「働くクルマ」や「ジェット機」といった速く動くものが好きですし、それは人間がもともと持っているDNAのひとつだと思うんです。そんなピュアな感覚で「格好いいですね」と言ってもらえることが、魂動デザインの本来あるべき姿だと思います。工業デザインには「機能美」という言葉があります。美しさを突き詰めると機能的になり、機能を突き詰めると美しさが得られるという理想。デザインを志した人間は、それを創りたいという気持ちで常にそれを探求しているのだと思います。

2人のチーフデザイナーによる、 デザイン対談

松田
その上で、ただ格好よくて不便な乗り物にならないように、ドライバーの居心地の良さも考えないといけません。ただ、ベストな機能はひとつじゃなく、人によって求めるものが全く違います。車内空間に広さが欲しいと言われても、その線引きはとても曖昧で、国によっても感覚の違いがあります。その決定を市場調査だけに頼ると、「市場参入するには、データ上はこれくらいの広さがないとダメ」と平均値で切られてしまう。そうではなく、生の感覚で機能を考えたときに、「これ以上はいる」「なくていい」と、自分たちが納得するところを見つけることから、CX-3のデザインは始まりました。

中山
自分達の感覚で機能を考えた、というところで言うと、私が以前CX-5をデザインしたときには、かなり車高を高くデザインしました。それは単純に室内空間を広くするためではなく、SUVの格好よさは、車高の高さにあると感覚的に思っていたからです。車種によっても「格好よさ」の考え方が全然違うのが面白いですよね。ところでデザインする上でエクステリアとインテリアでも、「格好よさ」の考え方って違いますよね。

CX-3

エクステリアとインテリア、デザインの違い。

松田
僕はクルマを1台のキャラクターとして語りたいので、あえて分けて考えていませんが、やはりエクステリアとインテリアは違うものとしてつくるところもあると思います。外は彫刻的に感覚で構築するような造形が必要で、インテリアはもっとロジカル。例えるなら、エクステリアがメロディ、インテリアが詩、それを組み合わせてひとつの音楽になるようなイメージですね。

中山
私も、表向きには「オープンカーなので中も外も区別はない」と言いますが、実際にはエクステリアとインテリアのファンクションは違うと思っています。クルマは家と同じように気の合う人しか入れないから、知らない人に自分のセンスを理解してもらう必要はない。インテリアは自分の世界、エクステリアは人に見られることを必ず意識するという違いはあると思います。

「ロードスター」チーフデザイナー中山雅

松田
デザインって、分かったような気になっていても、じつは既成概念に縛られていて、違う視点を見つけられていないこともあると思うんです。色々な情報が溢れていて、安易に型にハマるほうが楽なんだけど、そうじゃないもののほうが面白いんだと言いたいですね。

中山
数値で測れるものじゃないからこそ、難しいですね。
でも、CX-3は完成までに結構早かったですよね。

松田
そうですね、悩みが少なかったので、とても早かったです。スタートしてカタチになるまで丸2年です。

中山
ロードスターはオフィシャルには3年ですが、ずっと水面下で動いていて、それも入れると8年ですね。
クルマのデザインに関して、時代観に合う・合わないっていう評価をされたりしますけど、時代観に合うかどうか、それが当たるかどうかは正直、運もありますよね。2年前にロードスターが出ていたら、今のデザインにはならなかったと思います。だから、今回のロードスターは、いい時期に育ったと思うんです。いつも何でも計算尽くで出来たら、つまらないですし。


  

  

2人のチーフデザイナーが生み出した個性際立つデザイン

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