“望んだ走りが一発で決まる”、そんな加速を求めて。

パワートレイン開発本部 エンジン性能開発部
上杉 康範

思い通りの加速がもたらす、クルマとの新たな一体感。

ディーゼルエンジンに生じやすい、加速する際の一瞬のレスポンス遅れ。これを解消する画期的な新技術が誕生しました。それが「DE精密過給制御」。アクセルを踏み込むスピードに応じて過給システムを緻密にコントロールし、ドライバーのイメージ通りの加速を実現するというもの。その開発の背景を、エンジン性能開発部の上杉康範が語ります。

ドライバーの意志と、加速のタイミングを直結させる。

ドライバーの意志と、加速のタイミングを直結させる。

「DE精密過給制御」とは、簡単にいうと、ディーゼルエンジンにみられるターボの応答遅れを解消しようという技術です。ご存じのように、ディーゼルエンジンには基本的に過給器、つまりターボがついています。このターボというものは、構造上、どうしても応答に少し遅れが生じるのです。

例えば、運転中、車線減少の標識が近づいてきたとします。あなたは車線を移らなくてはならない。隣の車線の少し先に、ちょうど車間距離の空いたスペースがある。そこに入ろうとアクセルを踏むと、一瞬、エンジンの反応が遅い。踏み足すと、今度は加速が強くなってしまった。このようにドライバーの意志と加速のタイミングが合わない時は、多少もどかしさを感じますよね。これを解消するのが、DE精密過給制御なのです。

ふだんの運転を快適にする技術だからこそ、実現したい。

普段の運転を快適にする技術だからこそ、実現したい。

開発のきっかけは、私自身に先ほどの車線変更時のような実体験があったからです。当時、私はドイツの開発拠点に赴任し、SKYACTIV-D 2.2Lモデルを日常的に使っていました。ドイツは車速制限が市内、郊外、高速道路で頻繁に変化します。またドライバーも厳密に守ります。ですから、状況に応じてすばやく加速したり、速度をキープしたりと、日本以上に運転に加減速のメリハリが求められます。

そういう日常の中で、車線変更時の加速が自分のイメージと一致しないような場面に直面したのです。このような経験を通して、レスポンスのいいディーゼルエンジンの必要性を感じ始めました。自分が開発に携わったクルマに毎日乗りながら、一人のユーザーの立場で、“これは絶対改良すべき問題だ”とずっと考えていたのです。

“走る歓び”を高めながら、“燃費”の向上にも貢献。

“走る歓び”を高めながら、“燃費”の向上にも貢献。

DE精密過給制御のメリットは、何といってもイメージ通りの加速ができることです。“自分の望んだ走りが、一発で決まる”。そういう感覚を提供したいと開発してきました。例えば、初心者の方が乗っても思い通りに運転できると感じてもらえると思います。また一方で、緻密なアクセルワークを多用する熟練者の方なら、“これくらいアクセルを踏めば、これだけ加速する”という部分を瞬時に理解できると思います。本当に自分の意志とクルマの加速が直結しているような、そういう走りを楽しんでもらえるはずです。

さらに、思い通りに加速するから余計にアクセルを踏んだり、加速しすぎてブレーキをかけたりといった無駄なエネルギーを使うことが減るため、結果的に燃費の向上にもつながります。思い通りの走りが一発で決まるということは、さまざまなメリットを生むことになります。


おすすめ

もっともっと、人とひとつになるクルマを。マツダのクルマづくり

MAZDAのクリーンディーゼルは進化をやめないSKYACTIV-Dのすべて

「すべてを壊して世界一のエンジンを作る」 開発者が語るSKYACTIV-D誕生秘話

ディーゼル特有の音を執念と発想で抑制 ナチュラル・サウンド・スムーザー

走りそのものが楽しめるダイレクト感

カーラインナップ