エンジン音による“人馬一体”を追求した、
ナチュラル・サウンド・スムーザー。

ディーゼルエンジン特有のガラガラというノック音。その研究に真っ向から取り組んだ技術者がいます。
エンジン性能開発部の森恒寛、そして神田靖典。2人はこれまで明らかではなかったノック音の発生源を突き止め、エンジン自体にある特別な工夫を施すことで、その音を大幅に低減することに成功しました。
それは、問題の解決に挑み続けた技術者たちの飽くなき「執念」と、常識を覆す「発想」によって成し遂げられたのです。

森 恒寛

森 恒寛

エンジン性能
開発部

神田 靖典

神田 靖典

エンジン性能
開発部

心地よいエンジン音で“走る歓び”を届けたい。
音の担当部門が燃焼技術にまで踏み込んだ
研究をスタート。

画像:心地よいエンジン音で“走る歓び”を届けたい。 音の担当部門が燃焼技術にまで踏み込んだ研究をスタート。

マツダの目指す“走る歓び”。それはクルマを運転する時に感じる、さまざまな感覚が折り重なることで生まれます。全身で感じる胸躍る加速感やハンドリングフィールはもちろん、耳で感じるエンジン音もまた、心地よい走りのための重要な要素なのです。マツダには、エンジンが発する振動やノイズといった音に関して研究開発を行う部門があります。森恒寛は、ディーゼルエンジンのノック音を長年研究してきました。

「ディーゼルエンジンには、音がうるさいという課題がずっとありました。私はこの音さえ何とかすれば、その価値は大幅に高まると思っていました」(森)。当時のディーゼルエンジンの開発は、まず、走り、燃費、環境性能を中心に進められ、音は後半で対応していました。「ノック音は、燃焼の爆発力がエンジン自体を震わせて生じていることは分かっていました。しかし、その対応策はエンジンの音が大きいところに遮音材を貼るというもの。これでは、納得できるレベルまでノック音を低減できませんでした」(森)。

そこで森たちは、音の担当部門でありながらも燃焼技術の領域にまで踏み込んだ研究を行い始めたのです。“心地よいエンジン音とともに運転を楽しんでもらいたい。それはきっと、走る歓びにもつながるはず”。森たちの強い想いは、次第に周囲の理解を得られるようになり、開発の初期段階から関連部門と連携して研究開発を行う体制へとつながっていきました。森たちの“遮音材に頼らず、ノック音の根源を断つ”というアプローチは着実に成果としてあらわれ、欧州を中心にマツダのディーゼルエンジンは次第に評価されてきました。

画像:心地よいエンジン音で“走る歓び”を届けたい。 音の担当部門が燃焼技術にまで踏み込んだ研究をスタート。

ガラガラ音の原因究明に着手。

「それでも解明できていないところがありました。ディーゼルエンジン特有のガラガラという、あの音の源流部分です。それはエンジンのピストン付近から発生するのですが、エンジンを運転させながらの調査はやりたくてもそのやり方が分からない。そんな時、神田さんが音の開発に参加することになったのです」(森)。

神田靖典は、世界で唯一マツダだけが実用化に成功したロータリーエンジンをはじめ、さまざまなエンジンの設計や実験を経験。とくにエンジン内部の計測技術に精通した技術者でした。「初めて森さんとディーゼルを担当することになった時、森さんの音に対する執念には、とても強いものを感じました。しかしエンジンの内部構造は非常に複雑で、その部分で原因を究明するには専門の知識が必要となります。森さんのためにも、そしてディーゼルエンジンの未来のためにも、自分の得意分野で必ず解明してやろうと思いました」(神田)。こうして、ディーゼルノック音の研究は、いよいよエンジンの内部にメスを入れることになりました。


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