マツダのこだわりを感じる新型デミオ(2/3)

ハイブリッド車にはないドライバビリティ

モータージャーナリスト国沢光宏

佐藤 :
ライバルをハイブリッド車とした場合、1.5Lクリーンディーゼルのドライバビリティはプライスレスと言うか、コスト換算が難しいですよね?

国沢 :
僕はハイブリッド車もすごく好きで、ハイブリッド車のドライバビリティも良いと思うんです。でも、当然ながらハイブリッドとクリーンディーゼルは、どちらが得か?っていう話になってしまいます。

佐藤 :
特に女性は、お財布はもちろん環境に対してもシビアですからね。

国沢 :
そう、ドライバビリティも大切だけど、まず入口は経済性を考えてもいいと思うんです。 走るシーンによっては、少々ハイブリッドより燃費が悪くても、ガソリンより軽油の方が安いので、一年を通して考えると燃料代はそれほど変わらない。 そして環境性能もハイブリッドと同じくらい良い。 そこで、初めてドライバビリティ、つまり“走る楽しさ”って話が出てきていいんじゃないかな。 コスト的にイーブンで、ハイブリッド車とは違う乗り味の“楽しい”クルマがあるよっていうと、それを好む人って結構多い気がします。

佐藤 :
そうですよね。どちらが良い悪いじゃなくて、それぞれに魅力と個性がありますからね。

DEMIO

国沢 :
そう、ハイブリッド車にはマニュアルトランスミッション(以下MT)はないけど、新型デミオにはMTがある。やっぱりMTは乗っていて楽しかったですね。運転する楽しさをもう一度思い出させてくれると思います。

佐藤 :
しかもクラッチがすごく軽いじゃないですか。だから操作自体が苦にならない。昔は、渋滞で足がプルプルしたこともありましたけど。

国沢 :
昔のエンジンって高回転型だったから、トルクが低くてスタートのたびにクラッチを気遣っていました。 特に坂道発進の時は、、、今はヒルストッパーがついているから、上り坂で止まっても普通にクラッチ操作をするだけだし、そういう意味ではMT車もすごく乗りやすくなっています。

佐藤 :
ディーゼルなんか特にトルクがあるから、状況によっては1つギアを飛ばして、、、なんてね。自分が選択したギアで走るっていうのも“意のままに走る”うちじゃないですかね。

国沢 :
特に女性がMT車に乗っていると感心されて、褒められたりもするんです。

佐藤 :
カッコイイですもんね。ロードスターが出た時、乗りたくてMTの免許取った女性が何人もいましたよ。

国沢 :
うん、いました。いました。

モータージャーナリスト佐藤久実

佐藤 :
ちょっとした社会現象になりましたよね。今もちゃんとMT車を作り続けているマツダって偉いですよね。

国沢 :
MTを作り続けることで、メーカーの意思がはっきり分かります。

佐藤 :
マツダのこだわりを感じますね。

国沢 :
こだわりと言えば、新型デミオに搭載されているクリーンディーゼルのSKYACTIV-D 1.5は、MTとオートマチックトランスミッション(以下AT)でトルクの設定が違うんです。
確かATが250N・m(25.5kgf・m)で、MTが220 N・m(22.4kgf・m)、実はMTの方がトルクが小さいんです。MTは引っ張ってもトルクが落ちない。 ATは低速でトルクは出るけども、高速域では落ちる。

※( )内は旧単位での参考値。

佐藤 :
すごいですね、そこまで変えているんですね。

国沢 :
MTに乗ればMTの楽しさがあって、ATに乗ればATのトルクを味わえる。そういうセッティングになっているんです。結構、微妙なことやっているなと思いました。

DEMIO

佐藤 :
試乗の時、Dレンジでもトルクが出るから、あえて何もしなかったですが、全く違和感がありませんでしたね。

国沢 :
そう思わせるような設定になっていました。ATはDレンジでも十分トルクを楽しめるし、MTだったらエンジンそのものを楽しめる。参ったなって感じです。

佐藤 :
ずいぶんと、きめ細かいことやっているんですね。マツダは。

国沢 :
おそらくガソリン車しか乗ったことない人だったら、このクリーンディーゼルに乗るととっても新鮮だと思いますよ。

国沢 :
マツダっていう会社は、昔からずっとヨーロッパを見ているんだと思います。初代FFのファミリアくらいからずっと。 最近は走りや乗り味も、こうガチガチのサスペンションで、ただハンドルが切れるっていうだけじゃなくて、何か奥行きのあるサスペンションのセッティングみたいなのも感じます。

佐藤 :
一本、芯が通っているのが見えてきた感じがしますね。 デザインも含めて“マツダ車はこんな感じ”っていうキャラクターが、クルマ全体で仕上がっている印象がありますね。

国沢 :
おそらくマツダは、目標ができて歩みだしているんだと思います。 軽量化とかエンジンの効率化とか、今、やらなきゃいけないことを、マツダはきっちりやっている。だから車好きの気持ちを打つのかもしれません。

※画像のデミオはプロトタイプです。


  

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