
DISIエンジンを開発するにあたり、霧状の燃料を 空気に均質に混ぜ、燃料の気化を促進し、できるだけ多くの空気を筒内で冷却することを目指しました。それにより、混合気の高い充填効率とともに 高圧縮比化を実現化し、トルクアップと低燃費化を高次元で両立しました。
直噴エンジンの特徴として
・筒内という広い空間に燃料を噴射するので、燃料の気化潜熱は 効率的に筒内の空気を冷却することができる(筒内冷却効果促進)
・筒内空気温度が下がるので、
(1) より多くの空気を燃焼室に充填でき、トルクアップに貢献できる
(2) 耐ノッキング性を向上できるので トルクアップに貢献でき、より高い圧縮比を設定できるので低燃費化にも貢献できるという特長があります。
MZR 2.0L DISIエンジンは、ファミリーカーにとって重要な性能の一つである燃費の向上を図ると共に、爽快な走りを提供することを目的に開発しました。
※DISIとは、Direct Injection Spark Ignitionの頭文字を取り、マツダはガソリンエンジンの直噴技術の呼称として用いています。
- 優れた低燃費の実現
MZR 2.0L DISIを搭載したプレマシーでは、従来の2.0Lポート噴射エンジン(14.0km/L)から燃費を7%改善して、15.0km/Lを達成できました。この15.0km/Lというレベルは、グリーン税制適合ラインの14.3km/Lを大きく上回っています。
- クリーンな排出ガス
MZR 2.0L DISIは、日本で最も厳しいSU-LEV(Super Ultra Low Emission Vehicleの略)に適合しました。このSU-LEVは、平成17年排出ガス基準に対して、NOxとNMHCを75%も低減するという厳しいものです。この低排出ガスの実現には、エンジン始動後の冷間時に点火時期を遅らせて、排出ガスを高温にすることが大きく寄与します。DISIにより より高い燃焼安定性を持つことができ、冷間時に点火時期を遅らせることが可能となったのです。
- トルクフル&ハイレスポンス
DISIの筒内冷却効果促進で、実用走行域のトルクを7〜10%改善し、トルクフル&ハイレスポンスを実現しました。
- 高圧縮比ストイキ燃焼
より厳しい排出ガス規制に適合するために、3元触媒ベースのストイキオメトリック燃焼(ストイキ燃焼と略)を採用しました。ストイキ燃焼を選んだことで、均一に微粒化した燃料を混合することに注力し、筒内冷却効果を より高めることができました。レギュラーガソリン仕様で11.2と、高圧縮比を実現しました。
- スワラーインジェクター(円錐中空噴霧)
燃料の微粒化噴射を可能にしたのがスワラーインジェクターです。この下図(右上)の様な 円錐かつ中空の燃料噴霧分布を作り出すために、インジェクターの先端部は、下図(左上)ような、複雑で高精度な加工が要求されます。

- タンブルスワールコントロールバルブ(TSCV)
エンジンの温度が低く燃焼に不利な条件下に、インテイクマニホールドにあるTSCVで 片方のポートを閉じ、吸入空気の流速を高めて、この矢印のような筒内流動(タンブルスワール)を作ります。筒内流動の強化で、燃料のミキシングを良くし、燃焼速度を早くし、燃焼安定性を向上させています。

- 可変燃圧システム
アイドル状態等では、3Mpaという低い燃圧にして、機械抵抗を低減し燃費を改善します。スロットル全開では、11.5Mpaという高い燃圧になり、霧化気化を改善して出力を向上させます。この11.5Mpaという値は、従来のポート噴射エンジンの燃圧に比べると、実に30〜40倍の圧力になります。





