
エンジンにとって重要な要素である、「熱効率を高め、燃費を向上させる」ためには、吸入した混合気を爆発させてより大きく膨張させる、すなわち膨張比を大きくする必要があります。
一般的なエンジンでは膨張比≒圧縮比のため、膨張比を大きくすれば圧縮比も大きくなります。しかし、圧縮比を大きくすると異常燃焼(ノッキング)が発生します。
つまり、圧縮比を小さく抑えながら膨張比だけを大きくできれば、高い熱効率が得られることになります。
※当コンテンツの「圧縮比」「膨張比」は、学術的には「有効圧縮比」「有効膨張比」を示唆しています。

この難問を解決するのが、「ミラーサイクル」エンジンです。
吸気バルブの閉じるタイミングを遅くし、圧縮行程の途中から圧縮が始まるようにし、実際の圧縮比を抑えることで、圧縮比<膨張比を可能にしました。

- 膨張比のアップと吸気バルブ遅閉じ
ピストントップ形状を変更して、標準のMZR1.3L(オットーサイクル)の圧縮比10:1に対して膨張比を11:1に拡大しました。さらに、吸気側カムシャフトのカムプロフィールを変更して吸気バルブのタイミングを遅閉じ(ABDC59°→80°)とし、ノッキングを抑制しながら熱効率を高めるとともにポンピングロスを低減。定常・加速走行時とも低燃費を実現しました。
- S-VT(シーケンシャル・バルブタイミング)の使用域拡大
S-VT作動域を高回転域まで拡大し、S-VT位相角を拡大することで、圧縮比の縮小に伴うトルクの低下を最小限に抑えています。
- CVTとの協調制御
エンジンとCVTの各コントロールユニットが相互通信を行い、つねに最適なエンジン運転状態/CVTのシフトパターンをコントロールすることにより、燃費とパフォーマンスフィールを高次元でバランスさせています。


