
1)下塗り塗装工程におけるVOC排出量 年間32トン削減
2)塗装製造工程における二酸化炭素排出量 年間8.8トン削減
3)下塗り用塗装使用料の従来比10%以上削減

マツダはこれまで、中塗り・ベース(上塗り)・クリアの塗装工程を集約した「スリー・ウェット・オン塗装技術」を、世界に先駆けて開発し国内の全工場に展開しており、VOCとCO2の排出低減に大きな効果を上げています。 今回開発した塗料はその前工程である下塗り工程で、環境負荷物質の低減、および防錆性能の向上を狙いとしたものです。 これらの技術を組みあわせることで、マツダは塗装工程において一層高いレベルの環境保全活動に取組んでいきます。
下塗り塗料は、電気を使って塗装しているため電着塗装と呼ばれています。電着塗装は、車体を塗料中に沈め、電気を流すことによって鋼板上に塗料を付着させる工程です。車体の内側にも塗膜を付着させることができるため、車体内部からの錆を防ぐ目的で自動車用下塗り塗装に一般的に使用されています。 しかし、従来の塗料では車体内部と外部への電気の流れ方の差により塗装膜厚に大きな差ができてしまいます。すなわち、電気の流れにくい車体内側では膜が薄くなり防錆性能上の弱点となり、電気の通りやすい車体外側の膜厚は余剰塗膜となってしまいます。このため車体の内と外の膜厚の均一化と適正化が望まれます。 この膜厚差の低減は塗料の総使用量の低減につながるため、塗料中に含まれるVOCや塗料製造時のエネルギー消費で発生するCO2排出の削減効果もあります。

環境にやさしい新電着塗料の開発の狙いは、車体内外の塗装膜の均一化による
・塗料の使用量の削減によるCO2やVOCなどの環境負荷物質の削減
・防錆性能の向上
・塗料自体の溶剤の含有量を減らし、更なるVOCの削減による環境性能の向上
です。
(1)塗膜の均一化
従来の塗料は樹脂の粘度が高い(硬い)ため、粒子間に隙間が多く、何層にも塗料が塗り重ねられないと絶縁できないため、電力の強い車体外側では余剰に膜厚が付着していました。
新しく開発した塗料ではこの樹脂の粘度を低く(軟らかく)し、粒子間の結合を密にすることにより、塗膜の電気抵抗値を高め、より少ない膜厚で電着塗装が終了するようにしました。これにより車体外側の電力が強い部位においても塗装膜厚を最適化することができ、結果、大幅な塗料の使用量の削減に成功しました。
(2)塗膜の防錆性能向上
今回開発した新電着塗料は、塗料特性を改良することにより、少ない電気量で塗装ができる上に、内側にも均一な塗装膜を形成することができ、車体内側の防錆性能を高めることができました。
(3)塗料中の溶剤量削減
余分に塗料が付着していた車体外側の塗装膜厚を適正レベルに抑制することによる必要な塗料自体の総量の削減に加え、新塗料では塗料中に含まれるVOCを削減しており、塗装工程におけるVOCの排出量の半減が可能となりました。加えて、塗料の総量低減により、塗料の製造工程における二酸化炭素の排出量も削減することができます。

