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環境技術

スリーウェット・オン塗装

環境負荷物質の排出を大幅にカットできる マツダ独自の塗装技術

スリー・ウェット・オン塗装とは、その名の通り、「中塗り」「着色ベース」「クリア」の3層をそれぞれ乾燥させないままウェットな状態で塗り重ね一回りの焼付乾燥で仕上げることにより、従来の塗装方法に比べCO2の排出量を15%、VOCの排出量を45%削減を実現した塗装技術です。

スリーウェット・オン塗装技術の概要

1) 中塗り工程を既存の上塗り工程内に集約レイアウトし、中塗り、ベース、クリアを連続して塗装後、3層を一度に焼き付ける塗装方式を開発することにより、塗装工場内で使用されるエネルギー(CO2)使用量を大幅に削減しました。
2) 塗料を高精度に塗布できる塗装制御技術を開発し、高効率なロボット塗装方式と組み合わせることにより、塗装膜厚の均一化と塗装効率の向上を図りました。また、3層を連続して塗装を可能とする低溶剤型の塗料を、新たに塗料メーカと共同開発。これらにより、塗装品質を向上しながら、VOCの削減、コスト低減を包括的に実現することが可能となりました。

(1)塗料の低溶剤化
単純に溶剤量を少なくすると塗料粘度が高くなり塗装に適さなくなるため、塗料樹脂の分子量を小さくし,塗料粘度を低下させる手法をとりました。これらの低溶剤型塗料の開発により、大幅なVOC削減を可能にしました。

塗料の低溶剤化

(2)中塗・ベースの混層防止
中塗とベースの界面で塗料が混ざり、光沢低下や色の濁りが発生するのを防ぐため、塗装後に塗装表面にバリア層を設ける機能を持つ界面制御用樹脂を新たに開発し、中塗り塗料に添加しました。
この樹脂は、塗装時には塗料中に均一に分散されていますが、塗装してしばらくすると、表面張力の作用で中塗表層に移行して、中塗とベース界面に高粘度のバリア層を形成します。この技術により、色の濁りを防止させて従来塗装と同等以上の外観品質を実現しました。

中塗・ベースの混層防止

(3)塗装効率の向上
塗装の際に塗装面ではない部位への不必要な塗料の付着を防ぐのと同時に、最小限の塗料とエネルギーで厚さを均一に塗装するために、スリー・ウェット・オン塗装では、外板塗装設備をレシプロ自動塗装からロボット塗装に変更しました。塗装軌跡の自由度と再現性の高いロボット塗装では、曲面の多いボディ外板に対して塗装距離が一定の最適条件で保ちつつ、理想的な軌跡で塗装が可能となります。

対策後の効果

1) 消費エネルギー削減
中塗工程を上塗工程に集約することで中塗ブースと中塗乾燥炉の廃止を実現し、塗装加工区全体の消費エネルギーを15%削減しました。
2) VOC削減
塗料使用量の低減、低溶剤塗料の開発により、従来塗装に対しVOC排出を約45%削減しました。これにより、欧州VOC排出規制水準35g/m2以下を従来の溶剤型塗料を使用しながら既存の塗装加工区で実現しました。

消費エネルギー削減