開発編
開発編
初代ロードスターのデビューから8年、安全性や快適性についてのお客様の関心はますます高まり、
開発・生産技術も大きく進歩しました。未来に向かって大きく前進するために、ロードスターの「身体」を
作り変える時だと決断し、1998年1月に2代目ロードスターを世に送り出しました。
2代目ロードスターの開発は、人馬一体コンセプト(魂)を継承し、ロードスターの魅力をさらに高めることによって、
その楽しみをより多くのお客さまに提供することを目指しました。
多くのファンに愛されながら、たくさんの「Fun」を培った初代ロードスター。
その培った楽しさの幅をさらに拡げようと、2代目ロードスターの商品コンセプトを「Lots of Fun」とし、以下目標を設定しました。
一目でロードスターとわかるイメージを継承して、シンプルで飽きのこない造形、走りのダイナミックさ、心の昂ぶりを伝えられる造形であること
一目でロードスターとわかるイメージを継承して、シンプルで飽きのこない造形、走りのダイナミックさ、心の昂ぶりを伝えられる造形であること
クルマがまるで手足のようにダイレクトに反応し、自在に操ることのできる楽しさをさらに深化させること
クルマがまるで手足のようにダイレクトに反応し、自在に操ることのできる楽しさをさらに深化させること
風を感じながら走る楽しさと開放感を四季を通して味わうために、オープンカーとしての完成度をさらに高めること
風を感じながら走る楽しさと開放感を四季を通して味わうために、オープンカーとしての完成度をさらに高めること
ロードスターの「人馬一体」コンセプトを実現するため、最も重要な要素はパッケージングであり、それこそがこのクルマのライトウェイトスポーツカーの資質を決定づけるものです。コンパクトなボディサイズ、適度にタイトな室内空間、フロントミッドシップエンジン後輪駆動、前後ダブルウィッシュボーン式サスペンション、パワープラントフレーム(PPF)は、2代目にも継承しています。
ベアシャシー
デザインは、一目でロードスターとわかる外観を継承しながら、
スポーツカーとしての存在感を新しい造形でアピールすることを目指しました。
どこから見ても角を感じさせない、曲面を連続させた面構成。
フェンダートップラインの抑揚を強め、ボディサイドにはフロントから連続性のあるキャラクターを設け、リアエンドのダックテール形状で抑揚をつけました。
どこから見ても角を感じさせない、曲面を連続させた面構成。
フェンダートップラインの抑揚を強め、ボディサイドにはフロントから連続性のあるキャラクターを設け、リアエンドのダックテール形状で抑揚をつけました。
初代のように心地よい緊張感を伴うタイト感を守りつつ、シンプルな中にも時代に応じた造形の洗練、機能的なリファインを行いました。
T字型形状のインストルメントパネルや丸型のベンチレーショングリルなどは継承しつつ、より立体的な造形とすることで、スポーティなイメージを強めています。
初代のように心地よい緊張感を伴うタイト感を守りつつ、シンプルな中にも時代に応じた造形の洗練、機能的なリファインを行いました。
T字型形状のインストルメントパネルや丸型のベンチレーショングリルなどは継承しつつ、より立体的な造形とすることで、スポーティなイメージを強めています。
2000年に行った大幅な商品改良では、ロードスターとして初めてのフェイスリフトを行い、ヘッドランプとフロントバンパーデザインを一新、精悍さと質感を向上させました。1.8Lエンジンは、吸気バルブタイミングを最適化する連続位相可変バルブタイミング機構(S-VT)を採用し、全域にわたりエンジンフィーリングと出力を向上、またボディフレームの補強やクロスメンバーの追加によってボディ剛性をさらに強化し、サスペンション性能とブレーキ性能を高めることにより、走りの質感を一段と向上させています。
新しくハイバックタイプとしたバケットシートはサポート性能を高め、クルマとの一体感を向上させました。
2001年に導入した「NR-A」は日常生活で使用しながら、週末はレースに参加できるモータースポーツベース車で、家族や仲間同士でレースを気軽に楽しむ新しいカーライフを提案。1.6L DOHCエンジンを採用し、マツダ初の車高調整式サスペンションにはビルシュタイン社製ダンパーを採用。さらにブレーキの強化、ラジエーター容量の拡大などを行っています。
商品改良で追加した1800 RS -Ⅱグレード
商品改良で追加した1800 RS -Ⅱグレード
「NR-A」(ディーラーオプション装着車)
「NR-A」(ディーラーオプション装着車)
2代目ロードスターは「Lots of Fun」というテーマを掲げ、動力性能やデザインのブラッシュアップを行ったうえで、乗員の快適性や安全性を高めるなど、様々な角度から楽しさを追求しました。さらに、多くのお客さまの期待に応えられるよう、インターネットでカスタマイズできるweb-tuned@Roadsterのほか、クーペモデル(受注生産)やターボエンジン搭載限定車なども追加。3代目へとモデルチェンジする2005年まで、ロードスターの様々な楽しみ方をお客さまに提供したモデルとなりました。
多くのファンを生んだ初代に引き続き、2代続けて大勢の方にご支持いただいたことは、人馬一体のコンセプトとパッケージングの完成度の高さを実証したと言えるでしょう。ロードスターの楽しさを様々な方向に拡げた2代目は、その後のロードスターの進化の指針を示し、3代目へとしっかりと引き継いでいきました。
AUTOMOBILE COUNCIL 2019でロードスター30周年記念車をお披露目。
今年のマツダブース、出展テーマは「ロードスター ~30年の物語、そして今~」。ブース全体で、今年で30周年を迎えたロードスターの歴史を表現しています。今回展示したのは「初代(赤・1989年のオリジナルモデル)」「2代目(青・10周年記念車)」「3代目(白・20周年記念車)」で、これらの色は、30年前にロードスターが世界で初めてデビューしたアメリカのシカゴオートショーに出品された初代モデル3台のボディーカラー「赤・白・青」にならっています。「このクルマを生み出した人々へのリスペクトと、30周年記念車に至るまでのロードスターの歴史を表現してもいる」ことをお伝えしました。
ロードスター10周年記念車(2代目モデル)
初代、2代目、3代目ロードスター 開発主査 貴島孝雄
私は、初代ロードスターの主査だった平井敏彦さんの退職に伴い、後継を指名されました。平井さんは「創造的破壊」という言葉を使い、ライトウェイトスポーツカーの開発に尽力され、この名作を形にされました。それを引き継ぎ、2代目ロードスターの開発を任された時、正直初代を越えるのは難しいと思いました。しかも、1990年代後半当時でも決して初代は魅力を失ってはいなかったのです。そこで2代目の開発では、変える必要のないものは変えない、変えるものは徹底的に磨き上げる、という考えで臨みました。全世界で43万台を販売した初代に対し、2代目はその7割程度を売るようなクルマにしなければあとが続かない、と必死でした。
結果的には、目標だった28万台をクリアできてホッとしたことをよく覚えています。特にヨーロッパで好評だったことが、誇らしく感じます。初代、2代目で学んだことは、当然3代目の開発にも活かされているのです。
ロードスターの誕生からNDへ至るまでの想いを、当時の開発主査・デザイナーを交えて語っていただきました。
開発編
開発編
デザイン編
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