鉄の質感を身にまとう、匠塗の新色
マシーングレープレミアムメタリック。

ソウルレッドプレミアムメタリックに続く、匠塗の新色「マシーングレープレミアムメタリック」。
2016年9月3日にマツダブランドスペース大阪で開催したブランドイベントでは、デザイン本部 カラーデザイナーの岡本と、車両実研部 塗料開発の山根が、「マシーングレープレミアムメタリック」に対する想いを語らせて頂きました。ここでは「マシーングレープレミアムメタリック」の開発秘話をご紹介します。

  

岡本 圭一

岡本 圭一

デザイン本部 クリエーティブデザインエキスパート(カラーデザイナー)

クルマのボディカラーや内装デザインの配色など、「色」「素材」を手掛ける。「初代センティア」「ランティス」などから担当し、スタジオリーダーとして、魂動デザインではソウルレッドプレミアムメタリックを開発。現在はクリエーティブデザインエキスパートとして、新色「マシーングレープレミアムメタリック」開発を手掛ける。

山根 貴和

山根 貴和

車両開発本部 上席エンジニア(塗料開発エンジニア)

1990年代の「ハイレフコート(※1)」、2000年代の「スリーウエットオン塗装(※2)」、2010年代の「アクアテック塗装(※3)」など数々の塗装技術の開発に携わり、マシーングレープレミアムメタリック開発にも従事。

カラーも造形の一部。魂動デザインのひとつの要。
従来の技術では表現できなかった、新しい価値に挑戦しました。

“カラーも造形の一部”という思想を持ち、色と造形の一体表現を重視した開発に取り組んでいます。

岡本
「魂動デザイン以降のマツダは、“カラーも造形の一部”という思想を持ち、色と造形の一体表現を重視した開発に取り組んでいます。
なかでもソウルレッドは、魂動デザインを象徴する色として造りあげた色で、お客様から大きなご支持をいただいています。しかし、ソウルレッドに続く匠塗の新色とは?と考えたとき、ただ単純に別の色を提案するだけでは、お客様に満足していただけない。
新しい価値を提案することで、魂動デザインをさらに磨き上げたいとの想いがありました」。

従来の技術では実現できなかった、新しいカラー開発が求められているんです

山根
「魂動デザイン以降、デザイナーが目指すものや、造り出したいカラーの要求レベルが急激に高まってきました。昔は、年間に使うだろう色を30色ぐらい選定して、耐候性や耐チッピング性、生産性などの各性能を確認したうえで、どうぞお好きにお使いくださいという形でした。しかしいまは、魂動デザインを支える色とは何か、いままでにない質感表現はできないかなどを重視した、いわば一品対応のカラー開発になっています。

従来の技術では実現できなかった、新しいカラー開発が求められているんです。また、カラーはただ見た目が良ければいい訳では当然なく、お客様が車を手にしてから手放すまで、最後まで劣化させることないようにしなければいけないんです」。

マツダというブランドのヘリテージを表現したい。
マシーングレープレミアムメタリックは、そんな願いから生まれました。

魂動デザインは、本物を極めるというマツダのクルマづくりを、造形面から支えるものです。

岡本
「魂動デザインは、本物を極めるというマツダのクルマづくりを、造形面から支えるものです。
カラーもまた本物を表現していなくてはなりません。

私にとって、カラーでの本物表現とは、お客様との価値の共有。それには色にどんなメッセージや思いを込めるのかが重要だと考えています。
そこでたどり着いたのが、ロータリーエンジンやスカイアクティブ テクノロジーなど、マツダが培ってきた技術魂、“マシーンの美学を追求し続ける企業である”こと。そうしたメッセージを色に込めたかったのです。ならば、マシーンを象徴する素材『鉄』の質感を色に込められないだろうか。それがスタートでした。
ところが、金属の本質をとらえてカラーで表現していこうとすると、実際の金属の光学特性はどうなっているのかなど、デザイナーの範疇を超えたところの知識が必要になってきます。そこで、私の想いを汲み取ることができ、なおかつ、量産できるかどうかの知見がある人物を思い浮かべたとき、私は山根のことを思い出しました。」。

山根
「マシーンを象徴するような色を作りたいんだけど、量産できる可能性はあるかな?と相談されたのですが、正直な話、最初は岡本がどんな色のことを言っているのか理解できませんでした(笑)デザイナーとエンジニアは、同じ言葉を聞いても想い描くものが異なりますし、鉄の質感表現など具体的な提案も当初はありませんでしたからね。まずは岡本のイメージする色を読み解くところから始まりました」。

ショーカーと量産車はまったくの別物なんです。

岡本
「各種のショーで展示されるショーカーなら、私が想い描く金属質感を作りこむことはできます。ショーカーは、匠がその手で時間をかけてあらゆる技術を駆使して創る工芸品のようなものですから。しかし量産車となるとそうはいかない。ショーカーとは異なり、まず何より耐久性が必要です。それに人の手ではなく工場の量産ラインの中で作らなくてはならない。ショーカーと量産車はまったくの別物なんです。量産できなければ絵に描いた餅ですから」。

山根
「その頃、私は塗料開発とは異なる部署に異動していたので、当初はプライベートな場でのアドバイザー的な役割でした。しかし、岡本と雑談を重ねていくうちに、エンジニア魂に火が点いたんですね。私はエンジニアですが、感覚をすごく大切にしているんです。岡本の抽象的で感覚的な言葉を、塗膜構造や塗装材料を設計するために必要な光学特性や構造要件などに変換しようと試みました。その結果、できるのではないかという結論に達したわけです」。

岡本
「理論上、量産できる可能性があるとしても、それを実現するためには、さまざまな部門の相互協力が必要不可欠であることは明らかでした。そこで各部門に相談を持ちかけたところ、みな快く請けてくれまして、定期的に集まって知見を持ち寄り話し合おうということになりました。ここから『共創』が本格的に始まったんですね」。

※1 クルマのボディを塗装したあと、バーベキューの肉のように回転させながら焼き付け乾燥塗装することで厚い塗膜を形成し、鮮やかで深みのある色と濡れたような輝きを実現させた塗装技術
※2 「中塗り」「着色ベース」「クリア」の3層をそれぞれ乾燥させないままウエットな状態で塗り重ね、1回の焼付乾燥で仕上げてしまう塗装技術。塗装工程における環境負荷の大幅な軽減を果たした
※3 塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC)と、塗装工程で消費されるエネルギーによるCO2の排出量を、世界最高水準にまで抑制する、革新的な水性塗装技術


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