命あるものだけが放つ一瞬の動きや美しさが、
人の心を打つ。
卓越した感性による美へのこだわりが、
研ぎ澄まされた存在感をつくりあげていく。

デザイン本部長 執行役員
前田 育男
(2015年3月24日時点の役職)

社員ひとりひとりに思いが伝わることで、
デザインのクオリティも上がっていく。

「これまでは、ある技術的な課題に対してデザイナー、エンジニア双方がある程度妥協し、折り合いをつける場面が多かった。ですが今はまず我々デザイナーが理想を追求し格好いいと言えるデザインをつくり、エンジニアと一緒に眺め、感動を共有することからスタートしています。そこで「格好良いね、これ欲しいね」と、常に皆が同じものを目指す気持ちになるとより良いものをつくろうという「うねり」が起きる。だから圧倒的なデザインを見せることが、我々デザイナーの重大な役目です」。

魂動

その流れは、2010年に発表したデザインコンセプトカー SHINARI(※)から始まったのだという。

「魂動デザインのコンセプトカーSHINARIも、当時、我々が目指すべき方向を示すために、デザインを社内に提示する意味もあってつくりました。そういう意味でこれはただのショーカーではなく、ビジョンモデルという位置づけのものでした。私が本部長に就任した当時、『スカイアクティブ・テクノロジー』を創り上げるためのモノ造り革新が進んでいました。

その高い志に感銘を受けながらも、デザインがその技術を反映した、もしくは超えて光り輝く必要があると思いました。その気持ちをSHINARIに込めた訳です。技術とデザインが常にシンクロして、理想のクルマをつくる。これがマツダのクルマづくりなんだと、社内外に向けたメッセージでした」。

※2010年9月に発表された、デザインテーマ「魂動」の第一弾となるコンセプトカー。

会社全体に広がった「うねり」

社内では、そのメッセージを受け取った者たちによる様々なドラマがいくつも生まれているという。
「開発の他本部全員に、魂動デザインのコンセプトを伝えるために、話をする機会を設けたこともありました。すると、真意を理解してくれた人達が自主的に動き出してくれました。例えば、先ほど述べた我々がつくっている魂動オブジェを、エンジニアたちが自らの工法で鉄を削ってつくって見せてくれたんです。自分たちの手を動かして、「命あるもの」を理解してくれようとしてくれた、その姿勢に感動しました。

社員ひとりひとりに思いが伝わることで、 デザインのクオリティも上がっていく。

普通の会社ではありえないことだと思います。それが今や、他の社員たちにも浸透して、今のマツダのデザインはさらにクオリティが上がっている。ブランドデザインは、社員ひとりひとりが同じ意識を共有しなければ実現しないのです」。
全員が同じ方を向き、マツダの目指すべき道を進んでいくことによって、常に最高のデザインを生み出す文化が醸成されるのだ。

今目指しているのは、
日本の美意識でカーデザインを磨き上げること。

デザイン本部長 執行役員 前田育男

マツダデザインで、グローバルブランドを席巻する。そのためには、日本の美意識を磨くことが重要だと、彼は考える。
「中国をはじめ、世界中でクルマのブランドが増え続けている今、「メイド・イン・ジャパン」が第一に選ばれる理由でなければならない。ブランドの背景にある国というのは重要で、「日本車は安くて壊れない」だけでなく、「日本車は格好いいね」と言われることが重要です。そのためにマツダが日本のカーデザインをより高いレベルに押し上げるためのリーダーシップを取っていけないか?と思っています。

日本には、長い歴史を持つ崇高な美意識があります。それは、独特の価値観を持ち、和食に代表される様に世界から尊敬される繊細で精緻な感覚です。計算し尽くされた美が醸し出す世界観は、凛とした品格を宿します。我々が最も力を注ぐフォルム創りにおいて、カタチを研ぎ澄まし、その完成度が生み出す緊張感により、日本の美意識に通じる部分が表現出来ると思っています。不要な要素を省き、魅せたい部分をシンプルなカタチで見せることで、より強く印象付ける。これを「引き算の美学」と呼んでいます。ゼロには出来ない中でギリギリまで削り落とすことで生まれるカタチを目指します。色んな要素を加えて表現する「足し算」のデザインが、今のトレンドだし、ある意味やり易い手法ですが、日本固有の美意識には反していると考えているのです」。

「引き算の美学」を体現した
ロードスターとCX-3。

「CX-5以降の新世代商品の中でも、ロードスターは究極の引き算のデザインと言えますね。とにかくキャラクターラインを使わない、光と影のリフレクションで今まで同等の動きを表現しました。また、CX-3は複雑なカーブを多用せず、流れるような1本のラインだけで動きを表現しています。だからこそこの2台はシンプルかつ鋭く見え、生命感が際立っている訳です。どちらも我々の考える魂動デザインです。
今後、日本の美意識をリフレクトした、更に深く新しいフォルムを追求するために色んなチャレンジを行っていきます」。

デザイン本部長 執行役員 前田育男

独自の哲学と日本の美意識をもって、世界に挑む。
彼の言葉のひとつひとつが、これからのマツダの進む方角を指している。


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