広島で生まれ育った陶芸家、有本 空玄は「志野焼は雪のように柔らかいんです」と語る。「28になるまで陶芸には全く興味がなかったのですが、偉大な陶芸家による志野焼の茶器の柔らかな赤みを見て、雷に打たれたような衝撃を覚えました。以来、この茶碗のような作品を作ることが陶芸家としての原動力となっています」。有本の言う偉大な陶芸家とは、人間国宝の陶芸家、荒川 豊蔵 (あらかわ とよぞう)。荒川の作品に追いつくという目標の下、長年陶作に励んできた有本は、今では日本で最も格の高いギャラリーで個展を開くまでとなった。