マツダデザイン 名匠と語る

世界における日本の美。新たな存在感に向かって。

世界の市場に合わせるのではなく、
日本のものは日本のものとして、本物を届ける。

和食が世界遺産に認定されるなど、近年、日本ならではの美意識が世界でも注目を集めている。そんな世界における日本の美の存在感について、3人が考えを語った。まずは玉川氏が自らの経験を話す。

「玉川堂は、12年前から海外に進出しています。そこで感じたことは、やはりローカライズさせないということ。その国に合わせたものをつくるのではなく、日本のものは日本のものとして表現することが大切です」。

世界の市場に合わせるのではなく、日本のものは日本のものとして、本物を届ける。

「海外の市場に合わせた鎚起銅器ではなく、日本で日本の魂を込めてつくった作品を届ける。海外の人にも通じるのです。日本製品が海外で受け入れられるかは、そこに分かれ目があると思います。そのためにも、日々本物をつくる。魂を込めたモノをつくる。それが日本のモノづくりにおいて重要な考え方ではないかと思います」。

和食が世界遺産に認定されるなど、近年、日本ならではの美意識が世界でも注目を集めている。そんな世界における日本の美の存在感について、3人が考えを語った。まずは玉川氏が自らの経験を話す。

「玉川堂は、12年前から海外に進出しています。そこで感じたことは、やはりローカライズさせないということ。その国に合わせたものをつくるのではなく、日本のものは日本のものとして表現することが大切です」。

世界の市場に合わせるのではなく、日本のものは日本のものとして、本物を届ける。

「海外の市場に合わせた鎚起銅器ではなく、日本で日本の魂を込めてつくった作品を届ける。海外の人にも通じるのです。日本製品が海外で受け入れられるかは、そこに分かれ目があると思います。そのためにも、日々本物をつくる。魂を込めたモノをつくる。それが日本のモノづくりにおいて重要な考え方ではないかと思います」。

日本の工業デザインを世界から尊敬される存在にする。
その為に尽力したい。

金城氏は、日本の伝統文化が海外でどう映っているのか、非常に不安だという。

「私は日本の文化がすごく浅い部分でしか伝わってないように思えて、とても気になります。レストランに意味なく鯉のぼりが飾ってあったり、太鼓を叩いたり(笑)。それが本当の日本の文化だと思われていそうで。
やっぱり本物を発信していかなければと思うんです。日本文化をもっと知りたくなるようなきっかけづくりも必要だと思います」。

金城氏は、日本の伝統文化が海外でどう映っているのか、非常に不安だという。

「私は日本の文化がすごく浅い部分でしか伝わってないように思えて、とても気になります。レストランに意味なく鯉のぼりが飾ってあったり、太鼓を叩いたり(笑)。それが本当の日本の文化だと思われていそうで。
やっぱり本物を発信していかなければと思うんです。日本文化をもっと知りたくなるようなきっかけづくりも必要だと思います」。

前田がうなずきながら続ける。

「本当にその通りです。工業デザインという視点でいくと、日本のデザインは世界で尊敬を受けない存在になってしまった様に感じます。ビジネス効率という企業命題をエクスキューズにした、安易で短命なデザインを良く目にします。一方で、中国やインドをはじめ、世界ではクルマのブランドがすごい勢いで増えている。そんな状況下で生きていくには、やはり日本のデザイン業界全体のレベルを上げていく必要性を感じます。日本のデザインが尊敬されてないと、世界の中ではまず選択肢の中に入ってきません。日本のデザインは素晴らしいんだと、メイドインジャパンというブランド価値を高めていく。その為に我々が出来ることは何か?を考えることが重要になってきたと感じています」。

日本には、欧米とは異なる崇高な美意識がある。
その原点を、もう一度見つめ直すこと。

マツダは“日本の美意識でカーデザインを磨き上げる”ことを標榜している。そこに込めた意図とは何なのだろう。

「世界のトップランクのブランドと競ってデザイン性の高いクルマをつくろうとすると、やはり自分のオリジンはどこで、何を背負っているのかが重要になってきます。つまり日本を背負うということ。例えばドイツ代表がBMW、イタリア代表がアルファロメオだとすると、日本代表はマツダというふうになれたら素晴らしいと思います。そのためには、日本の美意識という価値はすごく重要になってくるし、それを無視して日本代表とはとても言えない」。

日本には、欧米とは異なる崇高な美意識がある。その原点を、もう一度見つめ直すこと。

マツダは“日本の美意識でカーデザインを磨き上げる”ことを標榜している。そこに込めた意図とは何なのだろう。

「世界のトップランクのブランドと競ってデザイン性の高いクルマをつくろうとすると、やはり自分のオリジンはどこで、何を背負っているのかが重要になってきます。つまり日本を背負うということ。例えばドイツ代表がBMW、イタリア代表がアルファロメオだとすると、日本代表はマツダというふうになれたら素晴らしいと思います。そのためには、日本の美意識という価値はすごく重要になってくるし、それを無視して日本代表とはとても言えない」。

日本には、欧米とは異なる崇高な美意識がある。その原点を、もう一度見つめ直すこと。

では、日本の美意識やデザインが世界で評価されるために必要なものとは何なのか。

「今回、話したような内容だと思います。日本の美意識って元来非常に高い質を持つものだと思います。研ぎ澄まされた世界観とか、モノに命や魂を吹き込むとか、欧米の価値観とはまったく異なる崇高な美意識がある。それを表面的に捉えないで、本質を捉えたモノ創りを行う事だと思います。我々企業デザイナーがこれまで犯してきた罪をきちんと反省して、もう一度「美しさを創る」という原点に戻ったところからスタートすれば、まだ間に合うのではと思っているわけです」。

日本の美から生まれる本物の価値で、
世界の尊敬を勝ち取っていく。

さまざまなテーマでそれぞれの想いを語ってきた今回。最後に日本の美を継承し、発展させていく者としての、今後の展望を聞いた。玉川氏が語る。

「先ほども言いましたが、やはり変えるものと変えないものをきちんと見極めることが大事だと思います。変わらないために変わり続ける。そんな姿勢で今後も本物のモノづくりに取り組んでいきたいと思います」。

さまざまなテーマでそれぞれの想いを語ってきた今回。最後に日本の美を継承し、発展させていく者としての、今後の展望を聞いた。玉川氏が語る。

「先ほども言いましたが、やはり変えるものと変えないものをきちんと見極めることが大事だと思います。変わらないために変わり続ける。そんな姿勢で今後も本物のモノづくりに取り組んでいきたいと思います」。

金城氏は、少しはにかみながら語った。

「抱負というものを人に語るのは、あまり好きじゃないのですが(笑)。しいていえば、これまでの先祖というか、日本の方々に感謝したいですね。ここまで続けてきてもらったおかげで、今があるのだと。受け継がれてきた日本人の知恵には、もう敬服するしかありませんから。感謝の気持ちを忘れることなく、これからもやっていこうと思います」。

前田も、今回のやりとりを振り返りながら語った。

「そうですね。今後やっていかなければと思うのは、あらゆる本質を追求する姿勢をもち続けるということでしょうか。玉川さんや金城さんのような方々に支えられている日本のプロダクトは、もっと本物を生み出せると思います。その本物の価値で、世界の尊敬を勝ち取る。それが将来のマツダのあるべき姿なんだと思ってます」。

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