マツダのルーツとなる会社が1920年に創立された「東洋コルク工業株式会社」であることはエピソード#1でお話しました。
では、なぜコルクの会社だったのか、なぜコルクの会社が自動車を造るようになったのでしょうか。
コルクの原材料となるコルク樫(かし)は輸入品ですが、中国地方の山間部には代用品の「アベマキ」という落葉樹が広く分布していました。江戸時代中ごろからこの木の樹皮を木造船の材料に使っていましたが、明治時代に入ると瓶(びん)栓に加工するようになり、アベマキコルクの生産が広島の地場産業のひとつになりました。第一次世界大戦によるコルクの一時的な輸入停止による好景気、一転その後の世界恐慌によって国産コルク業界は翻弄されます。
そんなとき、経営難に陥った広島の個人経営のコルク業者を立て直すために、多額の融資を行っていた銀行を中心に広島の財界の有力者たちが集まって株式会社化し、東洋コルク工業は誕生しました。マツダとコルクのつながりはここから始まり、現在も「ヘリテージコルク」としてMAZDA MX-30のインテリアで利用するなど、脈々と続いているのです。