富士山で日の出を見ようと夜クルマで出かけた時、暗闇で風景は見えませんでしたが、
車内で流れていた音楽だけは鮮明に記憶に残っています。

エンジニアの若松功二(わかまつ こうじ)の手によるこの音響空間とそのシンプルでありながらも独創的な発想について聞いた。

イーグルスの名曲、「ホテル・カリフォルニア」のイントロの最初の音が鳴り、興奮した観客の歓声に混じってギターの弦に指を滑らせる音がクリアに聞こえると、マツダのエンジニアである若松功二は椅子の背もたれによりかかり、満足気な笑みを浮かべた。

 

この曲を何度も繰り返し聞いている若松だが、決して聞き飽きていないと言う。若松はMAZDA3のオーディオシステムを開発するためにライブ録音を含む複数の音源を用意し、徹底的にチューニングを行った。「ホテル・カリフォルニア」はその中の1曲だ。

イーグルスの名曲、「ホテル・カリフォルニア」のイントロの最初の音が鳴り、興奮した観客の歓声に混じってギターの弦に指を滑らせる音がクリアに聞こえると、マツダのエンジニアである若松功二は椅子の背もたれによりかかり、満足気な笑みを浮かべた。

 

この曲を何度も繰り返し聞いている若松だが、決して聞き飽きていないと言う。若松はMAZDA3のオーディオシステムを開発するためにライブ録音を含む複数の音源を用意し、徹底的にチューニングを行った。「ホテル・カリフォルニア」はその中の1曲だ。

ここはスタジオ並みのオーディオシステムから流れてくる音を堪能できるマツダの音響室。外部の音が完全に遮断された理想的な音響環境では、音が正確に流れ、吸収される。若松が目指しているのは、ここで聞こえる音をMAZDA3以降の全モデルで再現することだ。音響へのこだわりは、若松の幼少時の体験に遡る。

自分のクルマでもこんないい音を聴きたいということもあって、
なぜこんなにも違うのかと考えましたよ。

大学に入り工学を専攻した若松はある日、友人とクルマで出かけた。友人のクルマには高級ブランドのステレオシステムが搭載され、若松は流れる音に瞬く間に魅了された。「友達のクルマに乗って音楽を聴いていると、音質がまったく違うんですね。標準的なオーディオとは異次元の音だと感じました。」

 

「以来、オーディオに夢中になりました。オーディオシステムを買いに行って、自分で設置しました。スピーカーを取り付けるために、クルマのインテリアを切ったりしてね。当時は無我夢中でした。かなりお金がかかりましたが、その分得られるものも大きかったです」

自分のクルマでもこんないい音を聴きたいということもあって、なぜこんなにも違うのかと考えましたよ。

カーオーディオのチューニングに対する独自のアプローチを開発

「チューニングをする時、フロントガラスに音楽の世界観が投影されるかどうかを考えていますね。例えばボーカルを聴いて、歌い手の口の動きが見えるかどうか。残響の広がりがあるかどうか。こういう光景が見えれば、運転していて本当に楽しいと思うんです」

 

若松は音響に関する知識と独自のアプローチをもって2003 年にマツダに入社、オーディオシステム性能を担当している。MAZDA3の音響に対する若松の最大の功績は非常にシンプルなことだが、デザインやエンジニアリング、製造部門の協力なくしては実現できなかった。

 

彼がもたらしたイノベーションは、フロントスピーカーの低音帯域をドアに内蔵された通常の位置からフロントガラスの下、カウルの位置に移動したこと。これによって低音が鮮明になり、ノイズや振動の低減にもつながった。結果として、かつてない程洗練されたキャビンが生み出された。

「チューニングをする時、フロントガラスに音楽の世界観が投影されるかどうかを考えていますね。例えばボーカルを聴いて、歌い手の口の動きが見えるかどうか。残響の広がりがあるかどうか。こういう光景が見えれば、運転していて本当に楽しいと思うんです」

 

若松は音響に関する知識と独自のアプローチをもって2003 年にマツダに入社、オーディオシステム性能を担当している。MAZDA3の音響に対する若松の最大の功績は非常にシンプルなことだが、デザインやエンジニアリング、製造部門の協力なくしては実現できなかった。

 

彼がもたらしたイノベーションは、フロントスピーカーの低音帯域をドアに内蔵された通常の位置からフロントガラスの下、カウルの位置に移動したこと。これによって低音が鮮明になり、ノイズや振動の低減にもつながった。結果として、かつてない程洗練されたキャビンが生み出された。


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