気候変動は、地球が直面してきたさまざまな課題の中で最も深刻な問題の1つ。
気候変動に伴う温暖化対策が喫緊に求められる中、
自動車メーカーの責任や取り組みにも変化が求められている。
温暖化対策の1つとして、マツダは電力のみで走行できるMX-30 EVモデルをラインナップに追加。
しかし全世界の発電量のほぼ3分の2は化石燃料による火力発電で供給されていることから、
EVのラインナップを充実させる程度では本格的な温暖化対策にならない、
というのがマツダの考え方だ。

Story by Anna Muggeridge

マツダは2050年までに、Well-to-Wheelの考え方で、
カーボンニュートラル実現を目指している。※1

マツダは、独自の環境ビジョンを掲げている。2009年にLCA(ライフサイクルアセスメント)を採用して以来、マツダはクルマのライフサイクルの各段階(原料調達、製造、使用、リサイクル、廃棄)における環境負荷を定量的に評価し、エネルギー源の調達から製造、クルマの廃棄までに発生するカーボン・フットプリント(クルマのライフサイクルを通じたCO2排出量)の削減を進めている。

マツダは2050年までに、Well-to-Wheel の考え方で、企業平均CO2の90%削減(2010年比)を目指している。

世界一のクルマづくりを目指して、マツダはクルマの基本から考え直し、すべてをゼロからつくり直すという大きなチャレンジを選択した。

SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブテクノロジー)という独自のテクノロジーの開発を通じて、マツダは車両の軽量化、燃費に加え空力性能、安全性能やドライビング性能の向上を実現した。

この新たなテクノロジーのもと、マツダは次世代エンジンSKYACTIV-D、SKYACTIV-G、そして世界初の圧縮着火技術を採用したSKYACTIV-Xを開発した。

燃費向上と革新的なエンジニアリングにより、全エンジンのCO2排出量が削減されている。「マルチソリューション」というアプローチにより、マツダは各国のエネルギー政策に左右されることなく、環境負荷を低減するパワートレインを提供することができる。

さらにはマツダ独自のマイルドハイブリッドシステムM Hybridには、ブレーキ操作に合わせて回生発電を行う機能が盛り込まれている。

回生された運動エネルギーは、専用バッテリーの充電や駆動用モーターを介して駆動力となるため、燃費の改善に加え、ドライバーはより滑らかで、マツダならではの「人馬一体」の走りを体験することが可能だ。

燃費効率最大30%向上を達成したe-SKYACTIV Xエンジン※2

燃費効率最大30%向上を達成したe-SKYACTIV Xエンジン

調査によると、車体重量を10%削減すれば、同自動車の燃費は最大8%向上する※3。燃費が向上すれば、大気に放出される有害排出物の量も減少することになる。

薄肉化・小型化されたパーツの製造、鍛造を含むボディシェルから電子部品の接続ワイヤーのような細部に至るまで、マツダが追求する軽量化の過程では、クルマのすべてが見直されている。

高機能樹脂材料の開発により、従来型から20%軽量化を達成したバンパー。※4

高機能樹脂材料の開発により、従来型から20%軽量化を達成したバンパー。

1つのラインで複数の車種を組み立てる多品種混流生産、そして1つの鋳型で複数のスチール製パーツを精密に裁断する技術など、マツダの革新的な製造技術は、エネルギー消費や廃棄くずの削減に貢献している。

国内のマツダグループでは、直接埋立廃棄物量を総廃棄物量の0.1%に削減。※5

皆さんもご存じの通り、プラスチックは、地球の環境汚染の主な原因の1つ。マツダは植物由来成分からなるバイオプラスチックを開発、ラジエーター・タンクなどのエンジン部品に採用した。内装外装部品にもバイオプラスチックを導入することで有害なVOC(シンナーなどの揮発性有機化合物)を発生させる塗料の利用を削減している。

国内のマツダグループでは、直接埋立廃棄物量を総廃棄物量の0.1%に削減。

業界初の高硬度、高耐熱バイオプラスチック、
世界初の植物由来繊維からなる自動車内装用バイオファブリックの開発。

業界初の高硬度、高耐熱バイオプラスチック、世界初の植物由来繊維からなる自動車内装用バイオファブリックの開発。

マツダ独自のアクアテック塗装は、世界で最も環境負担の少ない水性塗装システム。標準的なオイルベースの塗装に対し、アクアテック塗装はVOC排出量を78%削減、同時にCO2排出量の大幅な削減を実現した。

マツダが製造するクルマにはアルミニウムなど、可能な限り再生可能な素材が使われている。また自動車リサイクルを促進するために、マツダのクルマはボディの解体やコンポーネントの分離を念頭に生産されている。この取組は、交差汚染対策としても有効だ。

マツダの国内事業所や工場で発生するCO2排出量47%削減。※6

マツダの国内事業所や工場で発生するCO2排出量47%削減。

何かを変えようと言うのは簡単だが、実際に変えるには時間がかかる。しかしマツダは有言実行、ビジネスの細部を見直し、気候変動対策を講じている。

長期的なビジョンのもと、マツダは大学や研究室と共同研究を進めている。広島大学とは藻類から内燃機関の燃料となる再生可能なバイオ液体燃料を生産する共同研究を進めており、実現すればクルマの走行中に発生するCO2排出量が削減される。

またロータリーエンジンを用いたレンジエクステンダーを開発し、マツダMX-30に導入する予定だ。発電用ロータリーエンジンを積んだレンジエクステンダーは、バッテリーの残量が少なくなると充電を行い、EVの走行可能距離を延ばす。さまざまな燃料に対応しやすいという特徴があることから、LPG(液化石油ガス)対応が期待される。

マツダは人、地球、社会それぞれの課題解決を目指す新しいチャレンジに取り組んでいる。上記のイノベーションすべてを通じて、マツダは美しい地球と心豊かな人・社会を実現し、マツダが提供する「走る歓び」という価値により、人の心を元気にすることを追求し続ける。

”走る歓び”と”優れた環境性能”を両立する「マルチソリューション」

マツダのパワーユニットについてさらに詳しく

  1. 「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づく、2030年に向けた新たな技術・商品方針。
  2. マツダの記事に記載されたe-SKYACTIV X エンジンの燃費数値。
  3. アメリカ合衆国エネルギー省による車体重量削減と燃費に関する調査。
  4. 「マツダサステイナビリティレポート2019」 P.66 バンパーの軽量化。
  5. 「マツダサステイナビリティレポート2019」 P.73 マツダグループ国内全体の直接埋立廃棄物削減量。
  6. 「マツダサステイナビリティレポート2019」1990年以降のマツダの工場と事業所におけるCO2排出削減量(47%)。
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