マツダにとって、最適なドライビングポジションの追求は、商品開発の重要な要素である。最近の調査結果では、ドライバーの半数以上は快適性、安全性、操作性をあまり考慮せずに、自らの感覚でシートポジションを調整していることが分かった。そこでマツダはMAZDA CX-60に新機能を搭載した。それがドライバー・パーソナライゼーション・システムだ。

マツダが取り組んでいる人間中心の設計思想とは、ドアハンドルの形状や動作、スイッチ類に触れた時の感触に至るまで、人間に合わせたクルマづくりを追求すること。その一環として、マツダはドライバーが常に最適なシートポジションを確保する方法を模索した。

統合制御システム開発本部の田端と彼のチームメンバーは、ほとんどのドライバーが自分にとって最適なドライビングポジションの調整方法を理解していないことを知った。
「CX-60の開発中、ドライバーが自分に最適なシートポジションに調整する方法を知らないという事実が明らかになりました。実際に調査データを見ると、正しいドライビングポジションで運転しているドライバーは約4割しかいなかったのです」と田端は語る。