543KM: コルクの森が密集するコルクランド

ポルトガル縦断の旅も半分が過ぎ、コルクの森が密集する地域、コルクランドに到着した。ポルトガルのコルク生産量は、全世界の60%を占める。

午前中、個人所有のコルクの森に入れていただいた。面積が100万エーカーを超える広大なコルクの森を管理するマネージャー、パオロ・エンリケによると、コルクの木の寿命は最長で500年。

9年ごとに夏の時期、それぞれの木から樹皮を採取するそうだ。木が寿命を全うすると切り倒され、薪として販売される。非常にサステイナブルだ。

何の因果か、マツダもコルクメーカーとしてスタートした企業。マツダは1920年、東洋コルク工業として設立された。

582KM: コルクの首都、コルシェ

森と肥沃(ひよく)な土地に囲まれた美しい町、コルシェはソライア川沿いの沖積層(ちゅうせきそう)の平野に位置する。コルクの首都として知られるコルシェには有名なコルク樫記念館がある。

近くに生息する森の生態学的な価値を啓蒙する記念館だ。マヌエル・コウセイロが設計した建物自体が見事で、その外観や内部のアトリウムにはコルクが使われている。

649KM:南部に到着、ゴールまであと少し!

エストラーダ・ナシオナル 2を南下するにつれ、雄大な景色が開けてくる。家畜の群れや道の両脇に並ぶ木々が作り出す天蓋(てんがい)の下を走り抜けると、南部での人々の生活を垣間見たような気がした。

ブロタス、シボーロ、トラン、エルヴィデル、アルモドヴァルを抜け、アメイシアルに立ち寄った。ここはセーラ・ド・カルデイラン山脈に近い小さな村で、人懐こい人々と白塗りの建物が印象的だった。

739KM:ゴールのファロに到着

CX-5のお陰で非常に快適な旅となった今回のドライブ、6日目にとうとうゴール地点のファロに到着した。ここファロは、大西洋に面したアルガルヴェ地方の主都。この日の夜は、旅の終わりを祝ってシャンパンで乾杯をした。

翌日、ファロの旧市街の探検に出かけた。古代の城壁に囲まれた旧市街は、ポルトガルの18世紀の建築物と、8世紀にムーア人によって建てられた遺跡から成る迷路のようであった(ファロは500年間、ムーア人の支配下にあった)。多くの建物には伝統的な磁器タイルが使われ、装飾的な色合いが目を奪う。エストラーダ・ナシオナル 2を南下した今回の冒険の終わりにふさわしい場所だ。

ヨーロッパのルート66を走破した今回の旅は、一生記憶に残るであろう美しい思い出一杯のドライブとなった。

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